何もない所から武器を作る方法12

その1つの決断(方法)がまた働く事だった。

貯金が底を尽きかけていたのも理由だったけれど、でも、どこかそれで安心していた。

それくらい毎日曲だけを作る日々が苦痛だった。

生活の全てをそこに期待するのが苦痛だった。

 

毎日ライブが入っていて働く暇などない所まで達していたらまた話は別だ。

今の自分はそうじゃない。

今の自分は音楽で生活は出来ない。

 

現に僕のレベルのラッパーであれば普通に週5で働いても活動出来るはずだった。

しかも、世間でいうところの働き盛りの年齢だ。

その方がレーベルもうまく行く気がする。

 

実家の両親からは「長男なんだから東京で就職する気が無いならさっさと帰って来い」と良く言われる。

就職して趣味で好きな時に自由に曲を作る、それで良いじゃないか。

 

皆が安心するし、僕も安定した収入があるに越した事はない。

 

完全に迷走しているが故に色々と理由を付けた。

自分を無理矢理納得させようとしていたのかもしれない。

気付けば27才になっていた。

 

どちらにしても正社員になるなら年齢的にラストチャンスかもしれない。

履歴書の長所は盛って書き、短所は大幅に削って書いた。

 

正社員の面接は5年ぶりだった。

 

1社2社と面接を受けて行くうちに色々わかった。

まず、中途採用は経験や資格が必要なんだと。

 


良く見たら僕の履歴書、何もない、空欄だらけじゃないか。

30社くらい面接を受けて、手ごたえは全くなく、帰宅してパソコンを開くと不採用通知がたくさん来ていた。

 

自分はこんなにダメだったんだ。

感覚がマヒしていて余裕で採用されると思ってたけど、痛々しいな。

 

あんなに職歴と学歴以外の部分を美化しても不採用。

 

気持ちの面も弱かった。

採用もされないうちから採用後の事を考えて不安になっていた。

例えば、上司が活発で生意気な年下だったらどうしようとか。

 

というのも僕は活発で生意気な年下にトラウマがあった。

上京してすぐ始めた仕事で上司が活発で生意気な年下(以下、ワタナベさん)だった。

今日の武器